2015年06月03日

「イスラームとは何か」(小杉泰/講談社現代新書)

 子供たちの同級生にムスリムの子がいるので、うちでも時々イスラームの話題になる。たいていは、食べていいものは何なのか、といったごく身近な話題に過ぎないのだが、それにしても自分はイスラームのことを何も知らないな、と痛感していたので、ちょっと勉強してみることにした。著者の小杉氏はエジプトでイスラーム学を学んだ方である。従って、この本はもちろん完全に親イスラームの立場から書かれている。戒律などの俗っぽい話はあまり出てこないので、たとえばどうして豚肉を食べてはいけないのか、なんてことは少しもわからなかったが、そのかわりイスラームの誕生の経緯や、イスラームの価値観とはどういうものなのか、という根本的なところは少しわかった気がする。初版が1994年なので、イランのイスラーム革命には言及されているが、その後のイスラーム原理主義の広がりについてはほとんど書かれていない。それにはまた別の本を読まねばならない。

 読んでいる間、アラビア語(と思われる)の用語を覚えておくのが大変だった。巻末に用語集が欲しかったところだな。新書にそこまで要求しちゃいかんか。

タグ:読書
Posted at 2015年06月03日 22:31:49
email.png