2016年08月14日

「ディオニソスの祭り」スコア

 妻の実家に帰省したついでに、浜松のヤマハに立ち寄って、フロラン・シュミットの「ディオニソスの祭り」のスコアを買ってきました。

 大昔に NHK FM の「ブラスの響き」でエアチェックした、パリ警視庁音楽隊の演奏を聴きながらスコアを眺めてみたけど…まあ想像以上にぐちゃぐちゃな演奏でした。この曲はプロでもきちんと演奏するのは難しい、というのがよくわかった。本家のギャルド・レピュブリケーヌの演奏でも、途中から勢いで寄り切ってしまうようなところがある。良い演奏をすれば、エキサイティングな名曲なんだろうと思うんだけど。

 今年の吹奏楽コンクールで、自由曲に選んでいる中学校がありました。どんな演奏してるんかな。中学生がこの曲を理解して演奏するのはかなり困難じゃないかと思う。がちがちに縦だけ揃えて、「すばらしい達成感!」とかやってるのかな。難しい曲をやればいいってもんじゃない、と思うんだけど。

 楽譜の組版はとてもきれいです。昔の日本楽譜出版社のスコアは何とも安っぽかったけど、最近のはそんなことはない。ただ、このスコアについては、解説がいただけない。「木管の旋律はしなやかに」とか「興奮して演奏すること」とか、何も言わない方がマシなレベル。最後の「B長調の和音で終止しています」なんて、どこを見てるんだろう。だって、最後の5小節は、こうですよ。

 最後の小節のバスにDがあるのが厄介だけど、基本的にはF短調の主和音でしょう。F#m → B9 → Fm という和音進行。機能的な分析は難しい(調べてみたけど手に負えなかった)けど、最後に主調の主和音に解決するのを意識して演奏しろ、と言わないといけない。スコアに付す解説であるならば、このぐらいの分析はしておいてもらいたい。ホルストのスコアで伊藤康英さんの解説が充実していたので、余計にそう思う。

タグ:吹奏楽 楽譜
Posted at 2016年08月14日 00:42:43
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