2016年10月31日

「空気の発見」(三宅泰雄著、角川ソフィア文庫)

 絶賛品切中だった「ロウソクの科学」を Amazon で注文すると、一緒に「空気の発見」をお勧めされた。これも大隅先生お勧めの本らしいのだが、不覚にも知りませんでしたよ。入手して読んでみると、これは素晴らしかった。化学の黎明期の重要なエピソード、例えばフロギストン説の興亡・原子説の確立・希ガスの発見などが、読みやすい文体でコンパクトにまとめてある。発見者に関するエピソードが少しずつ紹介されているのも良い。

 1962年初版の本なので、一部の記述が古いのは致し方ない。原子量の基準が「酸素」になっているのは時期的に微妙。「炭素12」を基準とすることに統一されたのは 1961 年のようだけど、初版出版の頃にはまだ十分に浸透していなかったのかな。「編集部注」をつけてもらった方が良いように思う。

タグ:読書
Posted at 2016年10月31日 22:54:04
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