2020年08月31日

「エーゲ海の祭典」序曲

 Andreas Makris 作曲の "Aegean Festival Overture"(「エーゲ海の祭典」序曲)という曲があります。アメリカ海兵隊軍楽隊の演奏でどうぞ!

 昔、吹奏楽でやりました。この曲すごく好きなんです。もっと知りたいなと思って、ある時期ネットでいろいろ調べたんだけど、ぜんぜん情報がなかったんですよね。もう忘れられた曲なんかなあ、と残念に思っていました。ところが、"Wind Repertory Project" (WRP) で、しっかり紹介されている。どういう経緯で作曲されたかもちゃんと書かれている。

This piece was written in 1967 as an orchestral overture for the Washington National Symphony and was premiered by that group under Howard Mitchell a year later at Constitution Hall. Its immediate success then and on tour occasioned the collaboration between Makris and Albert Bader of the U.S. Air Force Band to arrange the overture as a concert piece for band.

"Aegean Festival Overture", The Wind Repertory Project

 さらに、作曲者の Andreas Makris 氏のウェブサイトも見つかった。氏は 2005 年に他界されたが、その作品を紹介するためのウェブサイトが運営されている。

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 オーケストラ原曲のスコアを見たいと思っていたのだけど、それはさすがに無理かな、と思いきや、なんと "DOWNLOAD" のタグが IMSLP へのリンクだった! つまり、著作権者が許可を与えて IMSLP からダウンロードできるようにしている、ということ。これは素晴らしい……

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 手書きのスコアと、浄書したスコアがあります。浄書した方は、移調楽器が実音で書いてあるとか、なんかいろいろ変なので、手書きの方がよいです。非常に読みやすく、丁寧に書いてあります。

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 スコアを読んでみると、Bader 編曲の吹奏楽版といろいろ違う点が見つかりました。吹奏楽版のスコアは手元にないので、記憶に頼っていますが、上の YouTube の吹奏楽版が記憶と一致していたので、間違ってはいないはずです。

 まず、練習番号8の 15〜16 小節目で、弦が同じフレーズを繰り返している。編曲版では、2回目が省略されている。ページの切れ目なので、作曲者がうっかりしていたのかもしれない。

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 練習番号11から、「5/8 2小節+2/4 1小節」の交代になるが、原曲では2回ずつ同じ音程で繰り返している。編曲版では、繰り返しが省略されている。原曲通りだと、少しくどいかもしれない。

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 練習番号13の7〜10小節、6/8+4/4 が1組省略されている。

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 このあとトランペットに高い D が要求されるんだけど、弦パートを押し付けられてるのかと思ったら、原曲でもトランペットだった。Makris 先生キツいっすねえ。

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 このあとクラリネットのカデンツァがあって、中間部に入る。中間部は、原曲ではバスーンの無伴奏ソロで始まり、次に打楽器の伴奏でイングリッシュホルンが同じフレーズを繰り返し、さらに弦のピチカートの伴奏でフルートが確保・展開する。編曲版では、最初のバスーンのソロに打楽器の伴奏をつけて、その次がフルートになる。つまり、2回目の繰り返しを省略。

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 このあとも、要所で繰り返しが省略されていて、緊張感を高めている。上の紹介文でも "the collaboration between Makris and Albert Bader" とあるから、作曲者も了解の上で手を入れた、と考えられる。

 アメリカの大学バンドでは相当頻繁に演奏されているようだけど、日本ではどうなんでしょうかね。最近は日本人作曲家が素晴らしいオリジナル作品をたくさん発表しているから、古い曲は出番がないのかもしれない。目を向ける価値がある曲だと思いますけどね。

タグ:音楽
posted by toshinagata at 21:01| 日記
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