2020年05月03日

'Ecliptic for Wind Orchestra' 全曲 DTM 演奏!

 1984 年に作曲して以来 36 年。ついに、'Ecliptic for Wind Orchestra' の全曲 DTM 演奏が実現しました!

 頭の中だけで鳴っていた 17 分の音楽が、DTM とは言え、現実に音になったんですよ。感慨深いものがありますねぇ……。

 もともと、DTM に参入したのも、「いつかはこの曲を音にしたい」という思いが8割ぐらいありました。フルオーケストラの曲の DTM 化にこだわっていたのはそのためです。あんまり有名曲に手を出さなかったのも、「一から音楽を作り上げるトレーニング」が必要だと思っていたから。もちろん自分の音楽の好みがもともとそういう方向性だったわけだけど。

 これが実現しちゃったら、DTM に向かうモチベーションが下がっちゃうのかな、と思ったけど、案外そうでもない。ただ、既存曲を DTM 化する方向にはもうあまり向かわないかもしれないな。

 あ、もし "Ecliptic" を実演したい、という団体さんがいらっしゃったら、たいへん嬉しいです。フルスコアもパート譜も IMSLP で公開しています(今、改訂版の審査中です)。経費負担はちょっと難しい(というか無理)ですけど……

タグ:音楽 DTM
posted by toshinagata at 13:46| 日記

2020年04月26日

Emacs 26.3 をビルドして LilyPond ファイルの編集

 久しぶりに LilyPond を使おうと思ったら、Mac を新調してから Emacs を入れてないことに気がついた。さっそくビルドしてみた。参考にしたのはこちらの記事。

 まず、@takaxp さんのパッチをダウンロード。

 Emacs 26.3 の tarball をダウンロード・展開して、パッチを当てる。

$ cd path/to/emacs-26.3
$ patch -p1 < ../ns-inline-patch-master/emacs-25.2-inline.patch 

 Homebrew で、以下のツールをインストールしておく。

$ brew install autoconf automake pkg-config gnutls texinfo

 autoconf, configure, make を順に実行。

$ ./autogen.sh
$ ./configure CC=clang --without-x --with-ns --with-modules
$ make install -j4

 nextstep ディレクトリの中に、Emacs.app が生成している。

20200425-1.png

 あとは、昔書いた記事「Emacs で LilyPond を使う」「Emacs で LilyPond を使う (2) - Point and Click」「Emacs で LilyPond を使う (3) - スコアの一部だけを組版する」に従って、カスタマイズした Emacs Lisp をセットアップする。Mac の環境移行のときに、~/.emacs.d は移行されなかったんだな。

 無事立ち上がりました。自作の LilyPond-hide-sections もちゃんと動作している。

20200425-2.png

posted by toshinagata at 10:38| 日記

2020年04月19日

テレワーク音楽会

 だいぶ前の話で恐縮ですけど、新日本フィルのメンバーが、「テレワーク」で米津玄師さんの「パプリカ」をやって、話題になってましたよね。

 第2弾もやってますね。「ウィリアム・テル序曲」ですか。

 ニューヨークフィルは、「ボレロ」の抜粋版をやってます。医療従事者へのエール、だそうです。

 他にもいろいろ広がっているようです。これ、リアルな音楽会とは全然違う面白さがあるんですよね。特に「ボレロ」を見たとき、「これ、めっちゃ教育的効果高いやん」と思いました。ソリストがはっきり特定できるじゃないですか。オーケストラ演奏の録画でももちろんソリストをアップにはできるんだけど、どうしても周りの奏者も映り込んでしまうし、ここまで印象的ではない。小学校や中学校の音楽の教材に使えるんじゃない?と思いました。

 音楽関係の人たち、この状況だと、収入が減ってマジで大変だと思うんですよ。単に「おうちで楽しんでください」だけじゃなくて、こういうのをうまく利用して、マネタイズしてもらえないかなあ。フリーソフトウェアのページによくあるみたいに、「寄付」のボタンを貼っとくとか。(下手にやったら、炎上したりするんかな。よくわからんけど……)

タグ:音楽 社会
posted by toshinagata at 23:07| 日記

2020年03月26日

WebRTC/SkyWay でビデオチャットを作る?

 新型コロナウイルス感染拡大で、続々と集会が中止になっております。本業の方では、ビデオ会議を導入できないかと調査中。そのついでに、両親や要介護の叔母とビデオチャットができるようにならんかな、と思っている。Skype とかちょっと試してみたけど、80オーバーの年寄りが使えるようなシロモノではないんですね。ビデオ通話アプリって、揃いも揃ってなんであんなに複雑なユーザーインターフェイスなの?

 かといって、ビデオ通話アプリを自分で作るなんて、絶対無理だよな…と思いつつ、ダメもとで「ビデオ通話 アプリ作成」などで検索してみると、案外出てくるんですねこれが。

 難易度(とか利用価値とか)はおいといて、実はそんなに難しいものではないのでは、という気がしてきた。テクニカルには WebRTC, 実装としては SkyWay というのが使えそうな感触である。

 このページ「SkyWayを利用してWebRTCを試す、そして iOS11 のSafariで自作ビデオチャットを試す」に書かれてある内容に沿って、SkyWay を試してみた。JavaScript SDK のチュートリアルに少し手を加えて、スマホと PC で一人ビデオチャット(しゃべってないけど)。

20200326-1.jpg

 へー、できるじゃん。内輪のビデオチャットだったら JavaScript だけで実装できそうだな。https のサーバを用意しないといけないっぽいのがちと面倒だが。

posted by toshinagata at 23:15| 日記

2020年03月21日

Switch インタビュー「ブレイディみかこ×鴻上尚史」

 今をときめくお二人の対談。いやー素晴らしかった。首をぶんぶん縦に振りっぱなし。

 前半は、ブレイディさんへの鴻上さんのインタビュー。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」や「子どもたちの階級闘争」から引用されたエピソードを元に、「多様性を乗り越えていくこと」がさまざまな角度から語られる。「ぼくはイエローで…」を語る時に誰もが触れる「制服」のエピソードに加えて、鴻上さんは「エンパシー」について触れられた。本の中では、中学生の息子さんが「公民」の試験で出題された問題で、彼は「他人の靴を履いてみること(他人の立場に立って考えてみること)」と答えたそうだ。なお、英語の empathy は、「他人の感覚を理解し共有する能力」と定義されている。実は、英和辞典で調べてみると「感情移入」「共感」という訳語が当てられているが、これでは "ability" というニュアンスが欠落している。ブレイディさんが強調するのは、「empathy が ability だ、ということは、これは『訓練によって伸ばすことができる』ものなのだ」という点。この点は、後半の鴻上さんの「演劇教育」の話題とつながってくる。

 後半は、鴻上さんへのブレイディさんのインタビュー。「理不尽なルールと戦う」ことが鴻上さんの信念の一つになっていることが語られる。理不尽なルールが山のようにあることは、日本社会が抱えている大きな問題だ。鴻上さんはこれを、「同調圧力」、あるいは「世間」と「社会」という切り口で説明していく。「世間」とは、自分の知っている範囲の人々の集まりであり、「社会」は自分と関わりのない、知らない人々の集まりである。かつて日本社会では、「世間」の範囲のルールに従っていれば生きていけたのだが、人間の間の関係性が複雑になるにつれて、「社会」と対峙することが避けられなくなってきた。現代の日本は、まだその折り合いをつけることができずに、苦しんでいる状況なのではないか、と。

 未来への一つの希望として、「演劇」を学校教育に取り入れることが有効ではないか、と話は続く。鴻上さんはもちろん演劇人の立場から、そしてブレイディさんは英国の教育機関でしばしば「演劇」的な要素が取り入れられているという体験から、この視点で意見が一致する。鴻上さんは「演劇人がこれを言っても手前味噌になるだけだから、他の人にどんどん言って欲しい」と言われる。まあそれはそうなんだろうけど、鴻上さんや平田オリザさんのような一流の演劇人が、演劇教育に積極的に取り組んでおられるのは、未来につながると思います。

 内容の濃い、すばらしいインタビューだった。多くの人に見て欲しいですね。

タグ:社会
posted by toshinagata at 23:45| 日記

2020年03月14日

常磐線全線復旧

 朝から「ひたち3号」が Twitter のトレンドに上がっていて、何だろうと思ったら、これだった。

 ああ、常磐線の全線再開。ニュースでは知っていたけど、現場ではこういう感慨があるんだ。

 この記事の中で、JR東日本の社長は「(10両編成で定員600人の輸送力は需要に対して過大だが)経済合理性だけでなく、将来に向けた一つの希望の印だ」と語る。鉄道の運行って、その地域にとっては、シンボリックな意味があると思うんですよ。

 かつて、青函トンネルが開通してしばらく経った頃に、北海道で生まれ育った人と会食した時、「札幌駅で『上野行き』という列車を見た時に、なんだか涙が出てきてね…」と語られたことが、今でも忘れがたい。その人は、本州で長く仕事をされていたし、飛行機で北海道と本州の間をごく普通に行き来されていたはず。それでも、札幌駅で「上野行き、北斗星」を目にした時の感慨は、格別なものがあったという。

 感慨の度合いはだいぶ薄れるけど、九州新幹線が開通した後に、新大阪駅で「鹿児島中央行き」の列車を見た時に、やはりこみ上げてくるものがあった。電光掲示板に流れる停車駅が、「つながっている」という感覚を呼び起こすんだよね。

 機会があれば、「ひたち」で仙台を訪れてみたいと思っています。

タグ:社会
posted by toshinagata at 10:54| 日記

2020年02月29日

ミニトマトと茎ブロッコリーのタネまき

 ミニトマト(アイコ)と茎ブロッコリー(スティックセニョール)のタネをまきました。ポリポットに「種まき・さし芽用の土」を入れて、1ポットあたり3粒ずつ、3ポット分まいた。

20200229-1.jpg

 アイコのタネはこういうものです。

20200229-2.jpg

 スティックセニョールのタネはこちら。

20200229-3.jpg

 スズメなどにやられないように、少し大きくなるまではネットをかけておきます。

20200229-4.jpg

 タネから野菜を作るのは久しぶり。これまで野菜作りはあまり成功した試しがないのだが、土の知識がだいぶついてきたので、少しは改善されるのではと期待している。

タグ:園芸
posted by toshinagata at 17:16| 日記

2020年02月24日

吹奏楽音源 Garritan Concert & Marching Band を使う

 先日のアルトクラリネットの件で思い出して、吹奏楽曲の DTM 打ち込みを再開してみた。まずは、3年前に買って、少しだけ使って放置していた「Garritan Concert and Marching Band 2」を引っ張り出して、研究してみた。

 前に少し使ってみた時に、気づいたこと。

  1. ヴェロシティが効かない。音量はすべて expression で調整する。
  2. レガートってどうやってやるの?
  3. カットオフで音色の微調整をやる方法ある?

 マニュアルとかチュートリアルがついてくるわけじゃないので、自力でなんとかしないといけない。どうしたものか、と思案していたのだが、音色データを見ると、基本的には sfz フォーマットであることに気づいた。

20200224-1.png

 sfz フォーマットは、音色のすべての設定がテキストで記述されている。このテキストを編集すれば、音色のプレイバック方法を指定することができる。上の3つの問題点も、次のように解決することができる。

 ヴェロシティは、amp_veltrack というパラメータを指定すればよい。

//  amp_veltrack=0  // これだとヴェロシティが効かない
  amp_veltrack=85  // ヴェロシティが効く

 レガートは、sfz ファイルを見ていて、指定方法を発見した。音声ファイルを指定する <region> の中に、次のような記述がある。これは、$legato_cc の値によって、offset(サンプルプレイバックの開始位置)を変更するものである。

<region>  lovel=1  hivel=127  lokey=51  hikey=51  
  pitch_keycenter=52  amplitude=100  tune=0  loop_mode=loop_continuous  
  loop_start=73763  loop_end=169823  
  offset_oncc$legato_cc=48194  
  sample=03ClarScnE3_0002102C.audio

 $legato_cc については、音色バンクを記述するファイル (CMB_STD.bank.xml) に次の記述があるので、コントロールチェンジ 64 (cc64) であることがわかる。

  <Define name="$legato_cc"  value="64" />

 さらに、音色ファイルの中には以下の記述もある。cc64 の値によって、アタックタイムが変化する。

  ampeg_attack_oncc64=0.0667787  ampeg_attack_curvecc64=8

 実験してみると、cc64 の値が 64 以上だと、アタックのない音になることがわかった。値を 64 より大きくすると、音の立ち上がりがさらに遅くなる。cc64 を 0 にすると、通常のアタック付きの音になる。この場合は、値を 1 以上にすると、アタックの最初が削られて変な音になる。(slap tongue みたいな音が欲しい時には使えるかもしれないけど、かなり不自然)

 カットオフは、だいぶ苦戦した。最終的には、次のように指定することにした。cc74 とヴェロシティでカットオフ周波数が変化する。ヴェロシティによる違いは、「強く吹いた時と弱く吹いた時」の音色の変化に対応する。どのぐらい変化するかは、楽器の種類によって異なる。本当は各楽器ごとに微調整した方がいいのだろうけど、とりあえずこれで作ってみる。

//  クラリネット系
  cutoff=90
  cutoff_cc74=5400
  fil_veltrack=2400
//  フルート、オーボエ、バスーン
  cutoff=90
  cutoff_cc74=5400
  fil_veltrack=2400
//  サキソフォン系
  cutoff=45
  cutoff_cc74=5400
  fil_veltrack=3000
//  金管
  cutoff=22
  cutoff_cc74=5400
  fil_veltrack=4800

 こんな風になりました。

 以前のバージョンはこれです。少しは良くなったかな。

タグ:音楽 DTM
posted by toshinagata at 00:24| 日記

2020年02月23日

ナツミカン剪定

 先日立てたプランに従って、ナツミカンを剪定しました。

 これが剪定前の様子。

20200223-1.jpg

 先日計画した6本の太い枝をまず切り落として、上の方に伸びている去年の秋枝を切る。

20200223-3.jpg

 さらに、高い枝を切り詰める。また、向こう側の木製フェンスを越えそうになっている枝を強めに切り戻す。こんな感じになりました。左半分の混み合っていたところが、だいぶ風通しがよくなった。

20200223-2.jpg

 今年は暖かいので、もう一部春の芽吹きが始まっている。花芽の数を見て、4月下旬ごろにもう一度軽く間引きをする予定です。

タグ:園芸
posted by toshinagata at 16:39| 日記

2020年02月16日

アルトクラリネットは絶滅危惧種?

 アルトクラリネットは、アメリカの吹奏楽では「絶滅危惧種」とされているそうです。Mark Wolbers 氏(アラスカ大学アンカレッジ校)の CBDNA 2011 総会での報告にそう書かれています。(CBDNA = College Band Directors National Association)

20200216-1.png

 ジョークに関して言えば、吹奏楽におけるアルトクラリネットは、オーケストラにおけるヴィオラに相当するものだ。どちらの楽器も、車のダッシュボードに置いておけば、ハンディキャップ・エリアに駐車することを認められる。しかし、オーケストラのヴィオラと違って、アメリカの音楽教育者は、アルトクラリネットを吹奏楽から排除することに全力を尽くしてきた。この点では、彼らは非常に成功したと言わねばならない。

Mark Wolbers, アラスカ大学アンカレッジ校、CBDNA 2011 総会報告

注:駐車云々は不謹慎な表現だけど、原文にそう書いてあるのでご容赦ください。

 アメリカでは、出版社も作曲家も、新しい吹奏楽の作品にアルトクラリネットのパートを含めないようになっているそうです(2011年現在)。その結果、楽器メーカーもアルトクラリネットの改良を行わなくなっている。ヤマハもセルマーも、1980年台以降はアルトクラリネットの改良を行っていない。1980年台より前の作品を演奏するにはアルトクラリネットが必要になるけど、専属の奏者がいないので、持ち替えをしないといけない。楽器も良い状態ではないことが多い。その結果、演奏は悲惨な結果になり、指導者はそれを「楽器のせい」にする、という悪循環に陥ってしまう。

 上記の報告では、筆者の Wolbers 氏はアルトクラリネットについて、さまざまな実験を行なっている。ルブランの中古のアルトクラリネットは、調整すると良い状態になったこと。また、セルマーのアルトクラリネットは、もっとも低い Eb, E, F (記音)の音程が悪く、いろいろ調整したが結局使用に耐えなかったこと。同じような音域を持つバセットホルンなら、はるかに良い楽器が入手できるが、音色の多様性のためにはアルトクラリネットとバセットホルンの両方を持っていることが望ましいこと、など。バセットホルンに良い楽器があるのは、モーツアルトの「魔笛」など、オーケストラの重要な作品で使われているからでしょうね。

 報告の最後で、筆者はグレインジャーの「リンカーンシャーの花束」より、第3曲「ラフォード公園の密猟者 (Rufford Park Poachers)」について言及している。この曲の前半部分には2つのバージョンがあって、バージョンAでは冒頭がピッコロ・Eb クラリネット・Bb クラリネット・バスクラリネットで開始され、その後のソロはフリューゲルホルンが演奏する。バージョンBでは冒頭がピッコロ・オーボエ・アルトクラリネット・バスーンで開始され、その後のソロはソプラノサキソフォンが演奏する。グレインジャーはバージョンBが好ましいとし、ソプラノサキソフォンのソロについて次のように述べる。

 このソロを書いた目的は、一つには、この輝かしい楽器の素晴らしい能力を演奏者・指揮者に確信してもらいたいということだった。私には、この楽器はサキソフォン族全部の中で最も愛すべきものだと思える。その牧歌的な力強さは、吹奏楽に対して素晴らしい利益を与えると言える。

グレインジャー「リンカーンシャーの花束」、G. Schirmer 社

 そして、筆者は「アルトクラリネットとクラリネット族について、私はグレインジャーと同じように感じている。」と結ぶ。この人は、アルトクラリネットを心から愛しているのですね。

 アルトクラリネットが絶滅の危機に瀕しているとしたら、大変残念なことです。ベルリオーズは、「管弦楽法」の中で「アルトクラリネットは美しい楽器である」と書いているそうです(原文未確認。確認できたら追記します)。私もアルトクラリネットを愛していまして、自作 (Ecliptic for Wind Orchstra) ではこの不憫な楽器にソロを与えています。演奏される可能性が絶無なんだからどうでもいいだろう、という正論はこの際無視ね。

20200216-2.png

タグ:音楽
posted by toshinagata at 23:24| 日記
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